愛着障害とは?

愛着とは、主に幼少期における子どもと母親をはじめとする養育者との間で築かれる心理的な結びつきのことを言います。
この愛着が何らかの理由により健全に形成されないと、心や身体の発達に影響を及ぼす可能性があります。
大人になってからも心や身体、人間関係に問題を抱えている状態を愛着障害と言います。

大人の愛着障害の特徴

大人の愛着障害は幼少期に愛着関係が十分に形成されなかったことが原因で、大人になっても人との間に信頼や親密さを築くことが難しい状態のことを指します。
この状態では自己否定や孤独感、寂しさなどの感情が強く現れることがあります。

対人関係 

💡怒りを上手くコントロールできない
大人の愛着障害には、人間関係において適切な距離感を保つことが難しいという特徴があります。「怒り」の感情をうまくコントロールできず、トラブルになりやすいといえるでしょう。

💡思考が極端
思考が極端で「100か0か」「白か黒か」になりやすいなど、物事に柔軟に対応することが難しいといえます。

💡過去に捉われてしまう
愛着障害がある人は自尊心が低いケースが多いため、自分の選択を信じられず、過去に捉われてしまう傾向があります。進路や就職などに関する決断も後悔することが多く、人生の満足度が低くなりがちです。 

情緒面


💡適切な距離感がわからない
人間関係の程よい距離感がわからないため、極端に人の顔色を伺うなどコミュニケーションに難しさを感じる場面があるようです。過去のトラウマや傷があるため相手に心を開きにくく、自分から積極的に他人と交流することが苦手です。

💡不安定な関係性
パートナーや子ども等の親しい人と情緒的な関係を築くことを困難に感じる傾向があります。一度は良好な関係が築けたとしても、些細なことで相手との関係が崩れてしまうこともあり得るでしょう。

💡自尊心が低い
自尊心が低い傾向があるため、親の期待に応えられないときに必要以上に自分を責めてしまいます。自己肯定感が低く自信が持てないといった特徴もみられます。

自我の問題

💡決断力がない
大人になると自分自身で考え、選択しなければならない場面が出てくるでしょう。
しかし、愛着障害があると自分自身で問題を解決できない場面が多く出てきます。

💡自己肯定感が低い
自己肯定感が低い傾向があるため、自分自身に対して否定的になりやすいといえます。
自分の選択に対する満足度が低いことも特徴のひとつです。

💡否定的になる
自分自身を信じることができないことから、自分を責めたり必要以上に落ちこんでしまう傾向があります。

カウンセリングの流れ

カウンセリングでは、じっくりとお話を伺いながら愛着障害の評価テストを行って、一緒に原因を探究していきます。その後、軽い催眠療法を使って過去のトラウマとなっているアンカーをひとつずつ抜いていきます。

カウンセリングから治療へ

アンカー(トラウマとなっている事象)を抜くことで、トリガー(トラウマを思い起こす出来事)に触れた場合でも、心が大きく揺さぶられることが無くなり、自分の人生を自分の意思で生きられるようになります。

この催眠療法を行うことで、単なるカウンセリングでは不可能な治療へ一歩踏み込むことができます。

愛着障害の克服を目指す

💡心の安全基地をつくる 
大人の愛着障害を克服する方法のひとつに「心の安全基地をつくる」という対処法があります。心の安全基地とは安心して休める「環境」のことで、心を落ち着かせられる場所として必要不可欠です。

愛着障害を持つ人は過去に不安や恐怖、不安定な状況などに直面してきたため、自分自身を守るために心を閉ざしてしまうことがあります。

しかし、そうした心の閉ざりが対人関係における問題や、自分自身の感情に向き合うことができなくなることにつながります。そのため、心の安全基地をつくることが大切です。

例えば、親から受け取れなかった愛情をパートナーや友人から獲得し直すのもひとつの方法です。他にも自分自身を受け入れ、自分に対する批判的な考え方をやめること、自己破壊的な行動をやめることなどが挙げられます。

心の安全基地をつくることで、自分自身を守るための防衛的な心の閉ざりを解放し、感情に対する理解や受容が進むでしょう。その結果、他人との関係性や自分自身との関係性が改善されることが期待できます。

ただし、心の安全基地をつくることは容易ではありません。自分自身と向き合い、過去のトラウマや傷ついた感情に向き合い、ゆっくりと取り組んでいく必要があります。カウンセリングでは、その過程をサポートをしていきます。

💡困っていることを整理する  
愛着障害を持つ人は、過去のトラウマや傷ついた感情に向き合うことが困難になる傾向があります。そのため、自分自身が抱えている問題や困っていることを整理することが愛着障害を克服する上で大切な要素のひとつとなります。

まずは、自分自身が抱えている問題や感情に向き合うことが必要です。そこで「自身がどのような場面で困るのか?」や「トラブルの背景にはどのような要因があるのか?」整理することが重要です。整理を行うことで自分自身が抱えている問題や感情を明確化し、自分自身を理解することができます。

また、自分自身がどのようなサポートやアドバイスを必要としているのか、どのような方法で問題解決に向けて取り組むことができるのかも明確になります。整理する方法としては、自分自身の感情を日記に書き出すことや、カウンセリングでのサポートを受けて問題や感情を整理するなどします。

困っていることを整理することで、自分自身の気持ちを整理し、自分自身を理解することができます。その結果、自分自身との関係性や他人との関係性が改善され、愛着障害を克服するための一歩となります。

💡無理に人と関わらない  
大人の愛着障害の特徴として他人の目を気にし過ぎるなど、被害妄想が生まれやすいため、無理に人と関わらないことも重要なポイントのひとつです。人と関わるのが辛い場合は距離を取ることも大切、と考えましょう。

人との関係を構築する前に、自分自身を見つめ直す時間を取るのもおすすめです。自分自身に対して優しくなり、自分自身を受け入れることができるようになると、自然に人との関係も改善されていくことがあります。

また、無理に人と関わらなくても自分自身が楽しめる趣味や仕事、自分自身が成長できる環境を見つけることも重要です。自分自身が楽しむことで、自信や自己肯定感を高めることができ、人との関係もより良好なものになる可能性があります。

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自己紹介

大学にて教職過程を履修する中で、特に発達心理学に強い興味を持つ。卒業後、中学校にて相談員(カウンセラー)として従事する。生徒の心の葛藤と向き合う中で、自身も問題を抱えていることに気が付く。自身が20年近くの歳月をかけて愛着障害を克服した経験から、同じような苦しみを抱える人の相談にのるようになる。

カウンセリング予約

大人の愛着障害に限定してカウンセリングを承っております。(現在、子どもの愛着障害についてはカウンセリングは行っておりません。)

  30分  3,000円〜

※ 完全予約制
ご予約をお取りください。

初めは同じような苦しみを抱える人の役にたてたらと思い、無償で相談に乗っていましたが、気をだいぶ消耗するためカウンセリングという形式でお代をいただくようになりました。カウンセリングは疲弊するため、沢山のクライアントを抱えることはできません。それなので仕事として大々的に行うつもりはなく、宣伝なども一切行いません。偶然にこちらに辿り着かれた方だけ、巡り合わせだと思ってカウンセリングをお引き受けしたいと思います。

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